伊勢見“清掃”事務所

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 ダストの言葉にブレイクは「うぃー」と返事。死体を引きずりながら出ていく。ジャンクは血で汚れた床を見つめ、血相を変えては慌てて掃除用具からモップを取り出す。  しかし、なかなか動かない伊勢見に「あの、伊勢見さん……掃除したいんですけど」と恐る恐る声をかけるや「僕も掃除しますよ。やったの僕なので」と手だけが伸びモップを奪う。  彼の不器用な鼻歌が部屋に響く。  その横で怯ながらジャンクもモップを絞ったり、雑巾がけしたりと黙々とこなす。丁寧な掃除に「君はいつも丁寧だね」と無意識に伊勢見が声かけると頬を薄っすら赤く染め「そ、そんなことないです……」と物陰に隠れる。  ジャンクは拾い子。  ブレイクとダストはダークウェブで雇った。  砕いて言うと――。  ジャンクは掃除担当であり、伊勢見の使用する武器をメンテナンス担当。  ブレイクはカニバリズムで殺すしか脳が無い。  ダストはブレイクの元相棒で面倒見が良く、顔立ちもよくイケメン肌だが嘘つき。  清掃員三人の中でジャンクは殺しの経験は浅く、血糊などを片付ける専門のため二人とは会話少なく、拾ってくれた伊勢見に少し憧れている。 「そう言わずに。片付けは僕がやりますから手を洗ったら、郵便物仕分けてくれますか? あの二人には雑用は任せたくないので……」 「ひぇっ……そ、そんな伊勢見さんのデスクに触れるなど恐れ多いです。じ、ジブンは……何も出来ない下っ端なので」  ジャンクは酷く否定的で怯ながらもしっかり意見を言うも伊勢見からしたら“謙りすぎ”に見えるため、時より言葉で伝えず作業で伝える。  デスクに触れるのは悪いことではない。  郵便物も内容は案件だけ見ても大丈夫。  ただ一つ。接待に関しては、ダストがずば抜けて対応が良い。 「中身見ていいので適当に広げて置いておいてください。給油室にお菓子ありますから食べてくださいね。あの二人には内緒ですよ」
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