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梅雨前線がこの国に停滞し雨は止む事なく既に1ヶ月降り続いていた。 「いつまで降り続くのだろう?」 「この雨によって蝉の幼虫は羽が存在する親蝉になれるのだろうか?」 一人、雨を眺めながらふと何故か蝉の事が気になり独り言を呟いた。 蝉の幼虫は7年、長い場合は10年以上も幼虫のまま土の中で過ごし成虫になって地上で過ごすのは、わずか1週間から数週間であり短命であると… 「この長雨によって7年目を迎えた蝉の幼虫は地上に上がることが出来ないのでは? それで無くても土壌表面が失われアスファルトになり多くの蝉の幼虫は路頭に迷っているのでは?」 何故か蝉の心情を語っていた。
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