第三章

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 保護された瞳は解放された。勇次は単独の犯行と言い張っているらしい。警察によると勇次は父への長年の恨みと私を守るための犯行と供述しているらしい。瞳自身勇次に殺害を依頼を口にしていない。もちろん誘導はしたのだが、それ自体を警察に私から白状するつもりはない。計画は成功したが、しかし腑に落ちないことがある。  ──いったい誰が警察に通報したのか? それに勇次は耕三の息子?──  計画では勇次が行動を起こしてから瞳が警察に連絡を入れる予定だったが、私以外から連絡が入った。それに息子だった。 「考えても仕方ない。とりあえず計画は成功したんだから」  瞳はそのまま自分の部屋には戻らずある男の部屋へと直接向かう。  訪れると男が部屋で待っていた。 「(じゅん)……」  純と呼ばれた男は瞳を招き入れた。 「うまくいったみたいだな。これで邪魔ものは瞳が手を下さず終わったわけだ」 「そうだけど。ねぇ、純は勇次が息子って知っていたの?」 「息子? あの男の息子だったのか?」 「えっ? 知らなかったの? それに私以外から警察に通報がいったの。ねぇ、純が通報したの?」 「通報? そんな足がつくようなことはする訳ないだろ?」 「そうよね。じゃあ、誰かしら?」  瞳は不安になる。計画の綻びを感じ始めた。  ──純と幸せになるために動いたのに……何かどこかおかしい……──
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