第三章

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 数日が経った。瞳のスマホのディスプレイは皹が入っている。投げつけた際に割れたものだ。部屋に引き込もっていたかったが店のスタッフが頻繁にやってきては煩いので部屋を出ていた。きっと私のことを探しているだろうと思ったがそれどころではなかった。純と連絡が取りたい、会いたいと繋がらないスマホを何度も押していた。 「私には何が残ったのだろう?」  言われるがままに男の相手をしたが一人はストーカーになり、一人はそのストーカーを殺害した男となった。恋人と思っていた男と幸せになるつもりが恋人に去られ、そしてその男のために貢いだ多額の借金だけが残った。すぐに返す当てもなければ働く気力もない。綺麗だと言われた顔も痩せこけ髪もボサボサになり一気に年老いた女性になっていた。瞳はネットカフェに身を隠していたが所持金も底をつく。店に戻り詫びを入れようかと思ったが今さら戻ったところでどこかに身を売られるか、まして今の姿に客がつくかも分からない。  意識が遠退く気分になりながらネットカフェを出た。 「もう疲れた」  瞳は街中をさ迷うように歩いた。いっそビルから飛び降りようかとビルを見上げる。もう一度だけ連絡をしてからセキュリティの甘いビルを探そうと思った。連絡しようとスマホを取り出した。純の連絡先の探しだし、通話ボタンを押したがやはり繋がらなかった。  瞳は気力なく笑うとショートメールが来ている。知らない番号だったが瞳は純かもと思いショートメールを開く。しかしそこにはURLがはりつけてあるだけだった。  なんだろうと思いそのURLを開いた。 「えっ!? そんな……なんで……?」  瞳はスマホを落とし愕然とした。 「どうして……」  瞳は何が起きているのか分からなくなり叫んだ。皹の入ったスマホのディスプレイにはある殺人事件のニュース記事が映っていた。  ──殺害されたの水谷純(みずたにじゅん)さん25歳。ゴミ処理施設場にて遺体が発見されました。水谷さんは胸には鋭利なもので数ヵ所、刺された傷が残っており、警察は殺人事件として捜査を開始しました──  
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