復讐の果てに

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復讐の果てに

 真っ赤なルージュに胸元の大きく開いた 洋服を着たハクがジョンの館にやって来た。  ドアが開くと彼の手下が彼女を招き入れる。  ハクの姿を舐め回すように見つめる視線に ふふっと微笑み返すと後ろに束ねた髪を ファサっとおろし階段をゆっくりとあがり ジョンの部屋へ続く廊下を歩いて行く。  館の周りにはハリスをはじめkingの仲間が 大勢息を潜めてその時を待った。  コンコンコン……。  「ボス……ベリーです」  ハクはそう呟くと部屋の中に入って行った。  部屋の中では、ジョンがハクを待ちわびたように 彼女の顔を見るや否や彼女の前に歩み寄って来た。  ジョンは、ほどかれた栗色のハクの髪を ごつい指でかきあげると……  そのまま彼女を抱き上げ、ベッドに横たわらせた。  「ベリー……その七色にひかる潤んだ瞳、 やっぱりおまえはいい女だ」  と彼女を見下ろし呟いた。  「ボス……今夜は長い夜になりそうですね。 その前にシャワーを浴びてきます」  ハクはベッドの上に起き上がり優しく微笑むと そのまま浴室に歩いて行った。  シャワーの蛇口をひねり水圧をあげ、 浴室いっぱいに鳴り響く水音に紛れ 浴室内の壁にもたれかかると、彼女は 携帯電話を取り出しハリスへメッセージを送った。  ブブブ……。  内ポケットで携帯電話が震え、ハリスが画面を 確認した。    手はず通り……  発砲音が聞こえたら一気に攻め込め。  ハクからのメッセージを確認したハリスは、 隠れている仲間に合図を送った。  
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