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———うぎゃっ!!
セリーナが変な声をあげてカイルの腕から飛び退いた。
驚く暇もなく呆気に取られる皇太子に、変人侍女は深々と頭を下げる。
「も、申し訳ありません、皇太子様が急に下劣なことをなさったので、つい……」
抱きしめる事もできないなんて想定外だった。
ぽかんと開いた口がふさがらない。
「げれ……」
──この侍女は何なんだ。拒絶されないように抱きしめて不意打ちを狙ったが、それを下劣だと……ッ!?
セリーナが部屋に来てから、短い間に何度も立て直した気力がへなへなと萎えていく。
──確信犯じゃないだろな、おい。
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