161人が本棚に入れています
本棚に追加
「あのう……。皇太子様が望んでいらっしゃることが、今やっとわかりました。こ、……こんなものをお見せして喜んでいただけるかどうか、自信がありませんが……」
ベッドの脇にスッと立ち、セリーナはおもむろに夜着の胸のボタンを外し始めた。
──思考が全く理解できない!
しかし相手が脱ぎ始めたからには放っておけない。
ゴホン、と咳払いをし、気を取り直してセリーナに寄り添ってみる。ボタンを外す彼女の手を手伝うように、自分の手のひらを重ねあわせた。
華奢な身体からは想像できなかった、思いのほか豊かな胸の膨らみがカイルの視界に入る。白い首筋にチュッ……と濃密な音を立てて、ゆっくりと吸い付くようなキスを落とした。
カウチに寝かせながら、侍女の両脚を開くようにトラウザーズの片足を割り入れる。
重なり合う二つの影。
……しばしの沈黙が流れた。
最初のコメントを投稿しよう!