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綺麗な巻き髪をふわふわ弾ませた白の侍女が、あからさまに眉を寄せた。
「そういえば、出仕初日に事務官に息巻いていたのはあなたよね。白の侍女の業務内容も知らずに志願したなんて、呆れてしまいましたわ……!」
確かに、その通りかも知れない。
彼女の言う通りだ。
「でも、あれは……」
──出願内容に間違いがあった。
言いたい事があるけれど、唇が動かない。
村にいた時に染みついたセリーナの悪い癖だ、面と向かって責められると何も言えなくなる。
「あなた自覚はあるの? この純白のお仕着せは、宮廷に出仕する侍女三百人の『顔』なのよ。そんなひどい顔色をして、せめてもう少しお化粧でもなさったら?!」
目の前で仁王立ちをする三人が、ロレーヌの村のエライザと取り巻きたちに重なる。無意識に足がすくんで、鳩尾のあたりがぎゅうっと痛くなった。
──皇城に来たって同じ。どこにいても変わらない、私は何も言えない、変われない……っ
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