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皇太子のために集められた見目麗しい『白の侍女』は二十人もいるのだ。しかもセリーナ以外の皆がこの鬼畜な責務を待ち望んでいる。
皇太子だって嫌がっているセリーナに無理強いする必要もないだろう。
大剣を振るうべく鍛えられた筋肉質な体躯に、月の光が青白い影を落としている。
美術品でも眺めているかのようなその光景は筆舌し難いほどに艶かしく、セリーナの鼓動がどくりと跳ねた。
「なんだ、可愛いじゃないか」
ふ、と目を細めた皇太子は妖狐のような薄い笑みを浮かべている。その視線が刺さるようで、セリーナは無意識に両腕で自分の身体を掻き抱いた。
「そっ……そんなふうに、見ないでください……」
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