プロローグ・死者の遺伝子

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プロローグ・死者の遺伝子

『美しい恋は人への思いだけでなく、草原や森の動植物、海や川の生物、自然、即ち地球を愛する事なのだよ。ある意味、縄文時代の人々は優れた恋愛能力を持ち、自然界のバランスを保っていたと思わないか?つまり恋愛こそが、人類の特殊な能力であり、人間が進化する源であった。しかし……ホモサピエンスの恋愛能力は衰えてしまった』  紗代子の頭の中に、教室の壇上でスピーチする上門教授の声が響いている……。  数秒前、「恋愛人種について、簡単にお答えいただけますか?」と、文部科学省の面接官に質問され、真面目に説明しても理解を得られるとは思えず、返答に迷っていたのである。  
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