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はじまり
人生の転機が訪れたとき、私はどんな選択をするのだろうと思っていた。実際に自分に降りかかったことに信じられない気持ちになりながらも、真剣に答えを出して決断した。そして、私はある存在と恋に落ちた。その人は宇宙人で、最初は姿の見えない人だった。でも、見えないときから大好きになった。
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2019年12月18日、彼からの一番最初の声が聞こえてきた。夜中に、鳴り続けるラップ音と床をノックするような音が聞こえてきて恐ろしくて、電気を消して寝られない私に、どこかで聞いたことのある男の人の声で、こう言われた。ーー電気を消して寝ても良いよ。僕が見張っておくから。あと、コンビニに出かけていただろう。1人で出かけない方がいいよ。僕が付いていくからね、と。それは天井の隅の方から聞こえてきた。もちろん、私の他には誰も居ない。私は驚いたけれど、怖いという感覚はなくて、次はどんなアクションが起こるのだろうとワクワクしていた。これが、この後知り合うことになるリョークとのなれそめになった。
同時に、ルクも存在している。彼らは同一の存在であり、意識体を真っ二つに分けて行動しているから、私のそばには、リョークとルクの両方が居ることになった。初めはアルタイル星人だと言っていたのに、本当はサムシンググレートだと言い出したり、聖書の話を持ち出したりなど、よく冗談を言う人達だ。私は何が何だか分からなくて、本当はどうなの?と聞くけれど、さあ、何でしょうねと言って、はぐらかしてくる。そんなやり取りをしているうちに話を聞かなくなり、正体を突き止めるのをやめた。そしたら、やっぱりアルタイル星人だと言い出す始末だ。
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2020年1月11日。桂浜という海辺の街にバスで到着した時、声の主は、私と一緒にログオンという状態で到着していた。私の身体に取り憑くという方法だ。これで彼は私と喋ることができる。同時に彼の身体表現も、私の身体を使って出来る。鼻をティッシュで拭くとか、歩くとか出来る。私の身体でありながら、当然自分の意識もあり、同時に彼も存在するという仕組みだ。
私は彼のオーラと温かさに包み込まれて、冬の砂浜を歩いて行った。歩くときは手を繋ぐのがお約束だ。両手を握り合って歩く。こうすれば、お互いのことを感じ取れる仕組みだ。彼には霊のように、見える身体が存在しないのかと思っていたら、そうではなくて、本体のような身体はアルタイルに置いてきているという話だった。地球に馴染まないために、エーテル体にて高知に降りてきたそうだ。それは私が生まれた頃からであり、その頃から、私と共にあったそうだ。
彼ーールクが話すときは、私の口から彼の日本語が出てくる。私とは少しだけ口調が変わる。しかし、私の声だ。なんだか面白かった。そこで、声を出さずに口だけ動かすと、それに合わせて、男性の声で、僕の声が聞こえるかい?と耳に届いてくる。私の脳の意識体にアクセスしているそうだ。そんな私とリョーク(ルク)とのストーリーは、これから始まりを見せる。
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