ススムトキ

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 目が覚め、夢だったのかと認識すると同時に、これで何度目だろうとモヤっとした気持ちがした。  スマホを見るとすでに夕方近くで、慌ててソファから飛び起きる。うたた寝していたようだった。  通知が一件。高校時代の親友からだ。そういえば最近、連絡とってなかったなーと思いつつ、メッセを開く。  そこには晴翔と再会したことと、私のことを気にかけていたことが書かれていた。  晴翔の名前を目にしたことで、私の心臓が跳ね上がる。  どうして私のことを――という問いかけの返事を待つのももどかしく、私は親友に電話をかける。 「なんか最近、夢に出てきたらしくて」  私の問いに親友が答える。私は絶句しながらも、自身が夢で見たことを親友に全て話す。  自分が今でも後悔していて、彼を傷つけたこと。今でも悔いていて、謝りたいという罪悪感から夢を見るのだろうということも。  もしかして、晴翔の夢に出てきたのは、私のそんな念のようなものが届いてしまったのかもしれない。非科学的であっても、なんだか余計に申し訳なかった。  そんな私の懺悔を親友は笑い飛ばす。 「なんだか似たもの同士だね。晴翔くんも自分の気持ちに正直になれば良かった。一緒にいたいって言えば、辛い思いをさせなかったのにって」  今更そんなこと言われてもと、私は左手を見る。光るリングを外す気にはなれない。  黙り込む私に親友は「あ、ダメだからね。晴翔くんはもう二児の父なんだから」とすかさず突っ込まれる。 「向こうも幸せだから心配しないでって言ったら、そっか良かったって晴翔くんホッとした顔してたよ」  ダメだった? という親友の問いに私はそれで良いと素直に答える。  今更、晴翔とヨリを戻したいとは思わない。ただ、お互いに後悔だけが残っているのが心苦しいかっただけだ。  だからこそ、あんな夢を何度も見てしまうのだろう。
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