逆ギレ

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逆ギレ

「これを使うとね、目薬をさしやすいのよ」 何やら青い樹脂の器具らしきものを出してきた義母幸代。 「なんですか?それ」 「あら、知らないの?目薬さす機械よ」 どうやら一回で使い捨てる目薬のやつらしい。 「へぇ、便利ですね。やり方はわかるんですか?」 「ちゃーんと聞いてきたわよ、看護師さんに」 なんだか私が優しくないような言い方だと感じるのは、私の被害妄想なのか? それからしばらく、取説と睨めっこしていた義母。 「ダメね、目が悪いから見えないわ」 イヤな予感。 「ねぇ、貴美さん、これ教えてちょうだい」 めんどくせーっ! 一通り読んで説明したけど。 「これ、普通に目薬さしたほうが楽じゃないですか?させませんか?」 「失礼なっ、目薬くらいさせるわよ」 え?逆ギレ? またか。
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