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プロローグ
ん?
ここはどこ?
目を開けると、一面に綺麗な青空が広がった。
そしてその一角には、それは綺麗な木漏れ日があった。
私は不思議に思い、草むらから起き上がった。
「んぁ?」
その拍子に近くにあった草がさらりと揺れた。
……草?
……草むら?
ん?
私は首を傾げた。
ベッドの上で寝てたはずなんだけど。
ん?
髪の毛が、白い?
私の髪は、黒っぽい茶色のはずなんだけど。
一房髪を掴むと同時に、思ったことがある。
手が、小さい?
自分の手をグーパーしてみた。
うん、小さいね。
いやなんで?
なんで?
私は自分じゃなくて、周りに視点を向けた。
私が寝転がっていたところの周りには、さっき木漏れ日が見えた木が見えた。
「え?」
すごいおっきい。
間抜けな声が漏れるほど、木は大きかった。
大木の中の大木じゃないかな。
私は思わず走り出していた。
足の裏からしっとりとした土の感覚が伝わってきた。
なぜかそれが心地いい。
その大木に着くと、木の幹に抱きついた。
あぁ、なんか、いいな。
命の輝きっていうか、なんていうかな……
温かみを感じる。
「……すごい」
そんなことを思いながらずっと木の幹に抱きついていると、どこからか声がした。
「なにやってるんだ、ケオ」
小馬鹿にしたような男性の声がした。
声がした方を向くと、そこには灰色の髪に赤い目の、イケメンな男性が立っていた。
……だれ?
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