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「湖々ちゃん、今回も安定のBだね…」
「うーん」
「じゃ、メンバー変えてもう一回行こっか」
友梨奈の声を合図に6人でグーパーをする。
頭上からハァーとため息が聞こえてきた。
「…」
どうしよう…また糸川くんと同じチームになっちゃった。
高1の時に同じクラスだった私たち6人は、学年が上がってクラスがバラバラになった今でも仲が良い。明るいムードメーカーの友梨奈とホワホワ天然の桜、声の大きな井出っちに背の高い佐藤にクールな糸川くん…それから私、中林湖々。
2、3ヶ月に一度、地元から1時間程の所にある遊園地に行くのが私たちの1年生の時からのお決まりになっている。
土曜日の割にそんなに混雑する事も無く、毎度朝から夕方までフリーパスで遊び倒す私たち。中でも乗り物に乗って進んで行く室内型のシューティングアトラクションにどハマりしていて、飽きもせず何度も何度も乗っている。
最大4人乗りのこのアトラクションは、備え付けの銃を使って映像のエイリアンを撃っていくものだ。個人的に点数を稼いでいき、最終ステージのボスだけはチームプレイになる。
最後にそれぞれのランクが正面の大画面に表示され、全員がAランクだとステッカーが貰える。
申し訳ない事に、私と同じチームになるとステッカーは貰えない。
高確率でその不運に当たっているのが糸川くんだ。
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