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決死の思いで真綾に提案すると真綾は
大きな瞳を丸くした。
そして、花が咲くように頬を染めて微笑む。
「うん、行きたい。一緒に行こう!」
その日を境に俺たちは何度も
一緒に出かけるようになった。
映画館や動物園、カラオケ…。
何度目かの映画館の暗闇のなか真綾が
恥ずかしそうに口を開いた。
「ねぇ、聖夜くん、聖夜くんは
わたしのこと、どう思ってるの?」
「俺は」
君のことが好きだ。
でも、なかなか言葉にできなくて、
映画が始まった。
隣の真綾は心なしか元気がない。
「好きだよ」
真綾の方を見るのが恥ずかしくて
正面を見つめたまま告う
するとふふふと小さな笑い声がして
真綾が俺の手を握って「わたしも」と
鈴を転がしたような声で言った。
それから、俺たちは彼氏、彼女として
付き合いを始めることになった。
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