最後の告白!

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そして、現在。あれから1年が経とうとしていた。 やかましい晶が出ていった後、教室内は宝生が死んだことにざわついていた。 実は僕も次の告白で失敗したら死ぬんだよ。 僕は友人は勿論、親にすらその話をしていない。逆に親からはついこの前、あんたは告白したことがあるのかと問い掛けられ、僕は無いよとだけ答えた。 もう告白をする勇気はない。ならば、女性の方から告白してくれるのを待つしかない。でも、僕なんかに貴重な告白をしてくる女性なんかそうそういないだろう。 「…告白なんか…馬鹿馬鹿しい。」 僕はすっかり恋愛に臆病になっていた。好きになるだけ損、何故人間には恋や愛などという余計な感情があるのか。 今度は人間を創り出した神を恨みそうだった。 相変わらず帰宅部だった僕は毎日、家と学校の往復しかなく、休みの日も部屋に閉じ籠もる生活が続いていた。 晶や他の友達に遊びを誘われても外に出る気力が湧かない。というか街なかでカップルを見ると気持ちが不安定になる体質にすらなっていた。 失恋というのは、こんなにも身体に影響を及ぼすものなのか。1年前の告白が成功してれば、今どんなに楽しい毎日を過していただろう。まぁ、そんなことを考えること自体が時間の無駄である。 そんなある日の日曜日。僕は母から珍しく買い物を頼まれた。健康体質の母が珍しく風邪をこじらせてしまい布団から出れなくなってしまったのだ。 僕は仕方なく母から買い物リストのメモとお金を預かり、最寄り駅から2駅離れたショッピングモールにやって来た。 「…これはどうしても今日買わないといけない物なのか?」 僕はメモの内容に疑問を抱きながらも、内容に従っていくつかの店を巡っていた。 「…これは母さんが元気になってから買っても良かっただろうに。」 僕はブツブツと文句を言いながら、次の店を目指して歩いていると、通路側にオープンになっているカフェの前にさしかかった。何気無くカフェの方をチラリと向くと、視界に飛び込んできた光景に僕は思わず足を止めて見入ってしまった。 アリアが男性と2人で座って楽しそうに話していたのだ。見た目は長身でいわゆるイケメンと呼ばれる部類の男性だ。 …やっぱり世の中は不公平だ。なんだかんだ顔で決まるんだな。 僕はそう考えながら、ずっと10メートルほど離れた位置にいるアリアを見ていると、アリアは視線に気が付いたのか、チラリと僕の方を向き目が合った。 アリアは、あっ!という表情をしたが、僕はペコリと頭を下げて、その場から早歩きで立ち去った。 …何だろう、胸が締め付けられる思いだ。 僕はトイレのマークを見て個室に入ると便器に座って呼吸を整えた。 1年ぶりに見たアリア。やっぱりアリアは可愛くて、輝いていて…。 また身体がアリアに支配されていく。消失しかけていたアリアへの思いは、あの一瞬で一気に1年前に戻ってしまった。
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