0人が本棚に入れています
本棚に追加
肝心なこと。
神様、やり直させてください。一回だけ、あと一回だけやり直させてください。お願いします。お願いします。ありがとうございます。
「あれ? 裕美ちゃん! こんなところで会うなんて偶然だね!」
「こんばんは、綾ちゃん。偶然じゃないよ。待ってたんだ」
「えっ、そうなの?」
「うん。言う前に刺しちゃったから、それが悔しくってね」
「へ? 刺すって、なに・・・」
「お前のことが嫌いです。大好きな私に刺し殺されて絶望してください」
「えっ?」
どすっ。綾の腹を切る感触。
「い・・・いた・・・い・・・」
「神様、ありがとうございました」
こいつのせいで私が悪者扱いされるなんてまっぴらごめん。だから死にます。こいつのことが死ぬほど嫌いなんです。神様、本当に本当にありがとうございました。
最初のコメントを投稿しよう!