もしこの恋が叶ったら、

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 今日は4月8日。始業式の日だ。私・日菜乃はどこかソワソワした気持ちで学校についた。あっ!もう新クラスの紙が貼ってある!紙の周りには低学年から高学年までの小学生が押し合いへし合いで新クラスを確かめていた。私も昇降口の扉にささっと近づいて群れの後ろの方で自分の名前を探した。「春日部、、、」あった。6年1組の上の方に私の名前が書いてある。メンバーを確かめたかったが、とにかく人の数が多いので、「集合体恐怖症の人があの群れを見たら、一目散に逃げ出すだろうな。」とおかしな想像をしながら6年1組の教室までの道のりを歩いた。教室の近くまで歩くと中の様子が扉の窓から少し見えた。中に2人ほど人がいた。教室に着いて扉を開ける。ガラーッ。「あっ、、、」中にいたのは天野ソラと雲井ほのかだった。二人は私の幼馴染で、二人は恋人でもある。2人と同じクラスになったのは嬉しいけれど、私の胸はズキンと耳障りの悪い音を立てて痛んだ。だってソラは私がずっと一途に想い続けている初恋の人だから―
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