もしこの恋が叶ったら、

3/8
前へ
/8ページ
次へ
 「1年間よろしくね!!」先生の自己紹介が終わって休み時間になると、私は隣の眼鏡男子に早速話しかけた。「よ、よろしくね。」その子は少し緊張気味?に返事をしてくれた。「えっとー、ツバキゲンくん?」さっき配られたクラス名簿を見ながら言った時だった。ささーっと私たちに近づいてくる何かの気配を察知した。「違います!ゲンじゃなくてツルです!弦って書いて、ツルって読むんです!」小さくて、前髪に隠れていて目は片方しか見えないけれど、ぱっちり目の可愛らしい女の子が大きな声で言った。さっきの近づいてきた何かはこの子だったらしい。「そう、僕の名前はツルです!よろしくお願いします!えーっとひなのちゃん!」と弦くんは微笑みながら言った。キーンコーンカーンコーンー。チャイムが鳴った。みんながぞろぞろと席まで移動する。私も自席に着席する。私の心は大人しいけれど、笑顔が素敵な弦くんへの親近感で満ちていた。 第一章終わり
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加