もしこの恋が叶ったら、

　僕は椿弦。今、僕のクラスでは係決めの真っ最中だ。それぞれの係の定員は大体2人だ。「黒板係やりたい人、いますか〜?」代表委員の男子が声を張り上げた。その時、隣の席の日菜乃ちゃんに声をかけられた。「ねぇ、弦くん一緒の係やらない?」その瞬間、僕の心臓が跳ね上がった。「え!?」僕はクラス中に届く大きな声を出してしまった。一瞬教室が静まり返ったが、数秒後、笑い声に包まれた。でも僕は恥ずかしくともなんともなかった。日菜乃ちゃんから一緒の係に誘われたことの嬉しさの方が勝っていたからだ。「もー、弦くんどうしたの?」と日菜乃ちゃんは僕が好きになった太陽みたいな笑顔で言った。