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3夕食はバイキング形式だった。
梨沙はいつもよりお腹が空いていなかった。
「ももち、それくらいしか食べないの?」
木曽ちゃんが心配してくれた。
「うん、なんかいつもよりお腹が空いてないみたい」
「生理とか?」
「あ、うん。そう、生理なんだ」
とっさに梨沙は嘘をついた。実は梨沙は小学校や中学校の修学旅行のときもそうだったけど、泊りがけで行く学校のイベントが苦手だった。家が恋しくなる分離不安という症状が出る。今回もそうみたいだった。
やがて過呼吸になってきた。
「はあ、はあ」
「ももち…」
瑠奈も心配している。
そしたら、隣で食べてた穂乃香が立ち上がった。
「ももち、このままじゃいけないよ。先生に言いに行こ!付き合うから」
「…うん」
情けないと思いながらも大島先生のところへ行って、部屋に戻らせてもらった。
部屋に着くと穂乃香が生理用ナプキンを差し出した。
「一応私も持ってきてたんだ」
はい、と言って梨沙はそれを受け取った。
「ありがとう」
「や、私もさ昔、白血病で入院してたことあって、だから大変な気持ちは誰よりもわかってるつもり」
「白血病だったんだね」
「今はもう治ったけどね」
穂乃香は一見きつそうに見えるけど、さりげないやさしさがあるなあと梨沙は思った。
「今日はお風呂入れないから先生やみんなにそう伝えておいて」
「うん、わかった!じゃ、一旦私戻るわ」
「うん」
そして梨沙はベッドに横になった。
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