3人が本棚に入れています
本棚に追加
放課後、わたしはハルタくんを、わたしの傘の中に入れて家に連れて帰った。
「ここがミソラの家? かわいいね」
「でしょ」
わたしの家は白い壁に赤い屋根の家で、おとぎ話に出てきそうな見た目をしている。ハルタくんに家を褒めてもらって純粋に嬉しい。良い気分のまま、彼を二階の部屋へと連れていった。
「“雨の国”っていうのはね、わたしが考えた絵本のタイトル。これなんだけど」
わたしは、自分の好きな本を集めた本棚から、画用紙でつくった手作りの本をハルタくんに見せる。
イラストと文章を手書きで書いて、ホッチキスで止めただけの本。でも、わたしにとっては人生で初めて書いた物語で、とても大切なお話だ。
「わ、すごい。これミソラが書いたの?」
「うん。本を読むのが好きだから、自分でも書いてみた」
「へえー。見ても良い?」
「もちろん」
見せるためにハルタくんを家に読んだのだから、喜んでページを開いてもらう。
最初のコメントを投稿しよう!