雨上がりの空下、また君と笑い合いたいから

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 明け方からポツポツと聞こえていた雨音は静まり、それをヒーリングサウンドにして眠っていた私の目が覚める。  水色のカーテンより漏れてくる光りにまさかと思って開けると、雨雲より差す光は眩しく。先程までの癒し音は嘘だったのかと思うぐらい、遠くの空は晴れやかだった。  グラウンド、ぐちゃぐちゃじゃないかな?  そしたら今日の練習試合は中止 ──。  ピコン。  そんな考えに返事をするかのように、私の枕元にあったスマホが鳴った。  充電ケーブルを外し画面に目をやると、そこには『東中 ソフトボール部』と記されていて、その下には『今日の練習試合について』と続いている。  目を閉じて願掛けをした後に恐る恐る画面をタップすると、その差出人はキャプテンで「予定通り。グラウンド整備の為に三十分早く集合」との連絡だった。  ……はぁ、あるよね。  その瞬間に湧き上がるものを私は必死に飲み込むが、口の中が酸っぱいもので満たされる。  頭が痛い。体がダルい。このままベッドで眠っていたい。  だけど重い体を起こしてソフトボール部のユニホームに着替え、寝巻きのスエットを脱ぎ散らかしたまま部屋を出て行く。 「(あゆむ)、頑張ってね!」 「……うん」  お母さんが準備してくれたお弁当と水筒を受け取った私は頭を切り替えて外に出ると、雨雲はすっかりなくなり青空が全面に広がっていた。  そんな空の下、二年生のお荷物が雑用作業に遅れてはならないと駆けていく。  晴れ上がる空、木から滴り落ちる雫、濡れたアスファルト全てが、歪んで見える中を。
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