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6・耳をぱくり
オズウェルに手を引かれるままに石畳で整備された庭を進むと、やがてガラス張りの温室が見えてきた。
どうやら温室が目的の場所だったようで、オズウェルはガラスの扉を開けて中へ入っていく。
適温に調節されている温室の中には、永久凍土の不毛の地ルーンセルンとは思えないほど、さまざまな種類の花が咲き誇り、かぐわしい香りを放っていた。
温室内にはガーデンテーブルやソファも置かれていて、とても居心地が良さそうだ。
ここで美しい花々を眺めながらゆっくり過ごせたらどんなに素敵だろう。
「すごく綺麗なところね……!」
オズウェルの顔を見上げてそう言うと、オズウェルは満足そうに微笑んでいた。
「この温室は、私が自ら手入れしているんだ。そう褒めてもらえると嬉しくなる」
「えっ、オズウェルが手入れしているの!? すごいわ!」
(皇帝陛下が自ら花のお世話をしているなんて意外)
こういう作業は部下に任せているイメージだったので、ヴィエラは驚いてしまう。
この温室に咲く花は、『花の国』メーベルに咲くものと遜色ない美しさだ。
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