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「これでも我慢しているんだ。隙ばかり見せていると……襲うぞ」
「ひゃ……ぁっ!」
オズウェルが、カプリとヴィエラの耳を唇で食んだ。
耳が生暖かくて柔らかいものに包まれて、ヴィエラの体にゾクリとしたものが走る。
嫌悪感などでは決してないのだが……。
妙にいけないことをしているような気持ちになる。
「オズウェ、ル……っや、めっ」
「……甘いな」
「やぁ……っ」
耳の形を確かめるように舐められて、ヴィエラは立っていられずオズウェルの服を握りしめた。
くすぐったくて、恥ずかしくて、だけれど。
それだけではない、何か甘いものが胸に込み上げてくるような感覚をヴィエラは感じていた。
「……耳だけで感じるのか? これ以上のことをしたら、お前はどんなふうに乱れるのだろうな」
「……ひゃあぁっ」
ふぅ、と耳の中へ息を吹き込まれて、ヴィエラの体から力が抜ける。
(これ以上のことって! これ以上のことって!)
支えてくれたオズウェルの腕の感触を強く意識してしまって、ヴィエラの頬が更に熱くなる。
「今は、これ以上しないさ。……今はな」
(……っ)
オズウェルの群青色の瞳に、くすぶる熱が見えた気がして。
その熱が自分に向けられているのだと察してしまって。
ヴィエラの胸が一気に鼓動を早めた。
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