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やばい。係長にバレた。
「仕事中にスマホ弄っていいと思ってるの?」
「すみません」
「すみませんじゃないんだよ、仕事中にスマホ弄っていいと思ってんのか聞いてんだよ」
「いえ」
「じゃあ何で今スマホ弄ってたの?」
そんなの答えられるわけないだろ。冷や汗が流れて止まらない。
「すみません」
謝ることしかできなかった。
「何謝ってんの? 俺は聞いてるんだけど、仕事中にスマホって弄っていいの?」
係長の声が一回り大きくなった。こうなったらもう、耐えるしかない。私は項垂れて
「いえ」
「だよねぇ!!!」
ほらはじまった。嬉しそうな顔と大きく張った声。
「ねえ何でスマホ弄ってたの!? 仕事終わってないのにねぇ君、何で? ねえ何でスマホ弄ってたの!? ねえ!!」
シンとしたオフィスに係長の声だけが響き渡る。彼は標的を見つけたときのいじめっ子の目をしていた。それを見るのがつらくて、左に視線をそらす。新入社員の女の子が涙目になっていた。その隣に座る同期と目が合って、気まずそうに目をそらされた。
「何でこっち見ないのぉ!! 目を見て話せよぉおお!!」
「ひっ! すみません、すみません!!」
直角に頭を下げた。そのとき、プツンと何かが切れる音がした。
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