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始まりの町 バース 1
ずぶ。ずぶ。ずぶ。
果てしない砂漠の中をカゲは進んでいた。
熱い
太陽が体内を焼きつくすようだ。
カゲはボロボロのマントでわが身をおおい
強烈な日差しから自分を守ろうとした。
グアヤキルを出てから何も食べていない。
カゲは水筒をひっくり返し、口にあてがった。
2、3滴のしずくが干からびた舌にあたった。
まだ生きてる。
そして、まだ死ねない。
左足が重い。
ひざから下に麻痺が残っている。
幼いときは走っていた気がする。
あふれる緑に息をのんだこともあった。
あれは、何歳のときだったか。
いや、そもそも俺は今、何歳だ?
ずぶ。ずぶ。ずぶ。
砂がカゲの身体をからめとり、蟻地獄にひきずりこんでいく。
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