届けたい

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 半月が過ぎた。  公演自体は劇団の規模にしては大入りなほうだ。  まだ、俺の降板はない。  毎日の張り詰めた緊張感は上回る恍惚感や高揚感で更新されていく。  リーダーからは相変わらず辛口な評価が下っているが、出演者全員が現状維持しながら己と闘っている空気がとても心地いい。  (明日も舞台に立てるっ)  裏方のときには味わえなかった、キャストと自分の役との一体感は手離せないと思った。
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