幸せ定期便

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「根本さん、今度のプロジェクトよろしくね」  多くの社員で賑わう社員食堂。  突然かけられた柔らかな低音ボイスに、私は足をとめた。 「えっ、プロジェクトって……」 「あれっ、まだ聞いてなかった? 正式発表は明日らしいけど……」  ていうことは、まさか……。 「よ、よろしくお願いします!」  私が急いで頭を下げると、須藤さんは目を線のように細めて微笑んでみせた。  うわー、まさか須藤さんも同じプロジェクトチームに選ばれていたとは……。  私は急いで『幸せ定期便』のマイページを開く。  今月の分は本日お届け済み。となっていた。  でもこれはどう考えてたって幸せじゃなくて幸せでしょう。  普段、ほぼ関わり合いのない別部署同士。  須藤さんとお近づきにる大チャンスだ。  もしかしたら、余分な仕事をしなくちゃならなくなる面倒くささと相殺ってことなんだろうか。  私は一人、「よっしゃ!」と小さく呟きながら拳を握りしめてみせた。
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