コロッケパン

2/2
前へ
/13ページ
次へ
 それでさっき聞いた。 「今日は合コンだから。人数合わせに頼むね!」 「えー?あたしそう言うの苦手だし。」 「だーいじょうぶだって。 あたしの隣で話し合わせてればいいから。来れなくなった子がいてさ。ただの人数合わせだから。ね。お願い。」 「もう。」 「狙ってる彼が来るの。だから協力して。」 *  「オイ、ソラ!まだかよ。おせーな。」 「あー、今行く。」  待ってた彼の所に行き、二人で話してるのを横目に見ながら私も購買部をあとにした。  ソラって呼ばれてた。さっきの優しい方の彼がソラ君か。  廊下を歩いてると後ろから足音が近づいてきた。  肩を掴まれて振り返るとあの彼。 「え?」 「ほら。」  見るとさっきのコロッケパン。さっきどうぞって言ったのに…。 「俺、二つ買ったから。」  無理やりトートバックに突っ込まれた。そのままくるっと背中を向けて去っていく。 「え?ちょっと…。」  そんな声に耳も貸さずさっさと行ってしまった。今のはどっちの彼?  さっき、確か最後の1個だったよね…。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加