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合コン
飲み会の席に付くとやっぱり彼らがいた。
名前は冴木凌空と冴木大空。みんなの視線を集める双子のイケメン。
はー。帰りたい。苦手なんだよ、こういう雰囲気…。
少ししたらこっそり先に帰ろ。
大きな荷物のトートバックが邪魔だった。飲み会だなんて思わなかったし。合コンだなんて急に言うんだもん。服装だってTシャツにデニムだし。
みんなおめかししてキラキラ輝いてる。おしゃれして来ましたって格好。
あー。なんかあたしだけ浮いてる。
どうせ今日は誰かの代役で、いつも隣にいる実緒ちゃんの引き立て役。
「今日の会費はいくら?」
がさごそとトートバックを漁りながら実緒ちゃんに聞いた。酔う前に先にお金だけ払っちゃお。だって先に帰る予定だし。
「あ。会費は一人五千円ね。食べ飲みホーダイ。」
「ごめん、あたし早めに帰るね…。」
「え?なんでよ、どうせ暇でしょ?隣にいてよ~。」
暇だって帰りたい時もあるんだっつーの。
トイレに立つふりをしてレジ横の椅子に腰かけた。なんか疲れた。
すると向こうから冴木君が来た。
「あ。」
「なんか疲れた顔してるな…。」
「う、うん…。なんか苦手。」
っていいながら、私の頭の中はハテナでいっぱい。この冴木君はどっちの彼?
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