12、One more time

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 佳奈は、ずかずか部屋に入り込むと、スーツケースを開けて自分の洋服やら化粧品やらをだして、適当なところに仕舞ったり置いたりし始めた。 「え?え?なに?」と俺の理解が追い付かない。 「お父さんには、キチンと言ってきた。嫁に行けなくはない!貰ってくれる人は存在したって言ってやったわ」 佳奈はドヤ顔をした。 「さっきは泣いちゃったけど、よ~く考えたら、『One more time定期の期限なし』は、イコールずっとなのよ!フォーエバーでしょ?解釈が変?」  俺は、なんだか自己嫌悪に浸ってたのがバカみたいだったと思った。 佳奈と暮らすのは結構大変かもしれない。コツはご両親が知っているだろう。早めに挨拶に行ってご指南してもらおう。 「主任、私の事を少しは好きでしょ?セックスできるくらいには。 愛情は育てていけばいいものね。だから、やろうよ。少ない愛情が無くなっちゃう」と佳奈が真剣な顔で言った。 俺は佳奈の肩を抱いて「今は大好きだよ」と今更の愛の告白をした。
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