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3、別れ話
さすがの下衆野郎の俺でも、別れる時は綺麗にいきたい。
土曜日に飯田橋の桜テラスに佳奈を呼び出した。人気のテラス席に二人で座ってゆっくりと言い聞かせるように話をした。
「俺に縁談が来ている。俺は受けようと思う。だから、佳奈とはもう会えない」
「なんで愛していない人と結婚するの?山上さんは私が好きなんでしょ?」
佳奈は、目を見開いて・・・驚いた顔をした。ついでに俺の肩を叩いて言った。
「やだな~もう!からかうのもいい加減にして!そんな嘘ついて何を企んでいるのかなぁ。今日も仲良くイチャイチャしよ」
佳奈は、俺の弱いところを突く。俺の太ももの付け根の方を手で触る。
「やめろよ!」と言っても「やめないも~ん」と言って手の動きが怪しくなる。俺は何時も、この女に負けてしまう。
気が付いたら何処かのホテルのベッドの上。
2回戦やって、必ず佳奈は言う。下手くそなカタカナ英語で。
「One more please」
これで3回。こんな感じで半年前から付き合っていた。
別れなくてはいけないのに、時間が経てばたつほど、莉帆さんにバレる確率が上がるのに、佳奈に強く出れない。
俺は根っからのワルじゃない。二人の女を抱くようなことはしたくない。結婚するなら莉帆さんの方がいい。
バカで出世の役にも立たない佳奈とは一緒になりたくない。
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