――それで、どうしますか?

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 紗那(さな)さんの言葉に、ポカンと声を洩らす僕。……えっと、再婚? ……いや、おかしくはない。何も、おかしくはない。ないんだけど―― 「――実は、三ヶ月ほど前、父の高校時代の恩師である女性と偶然にも再会したようでして。そして彼女も数年前、旦那さまとお別れし独り身だったようです」 「……そう、だったのですね」  すると、戸惑う僕に穏やかな口調で滔々と話す紗那さん。……高校時代の、恩師……それは、奇しくも僕と同じ―― 「ともあれ――彼女と会ってからというもの、何処か心あらずの父の様子を度々目にするようになりまして。それで、意を決し確認してみると――どうやら、彼女は父にとって初恋の女性(ひと)だったようです」
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