届けたい想い

1/1
前へ
/19ページ
次へ

届けたい想い

「……あれで、良かったのですか? 楓和(ふうな)さん」 「うん、もちろんだよ紗那(さな)さん」  それから、一週間ほど経て。  整理の行き届いた白い部屋にて、少し控えめに問い掛ける紗那さん。何のお話かと言うと――まあ、言わずもがなかもしれないけど、再婚の件に関し僕が先生に伝えた想いについて。 『――ご結婚、おめでとうございます。そして……ありがとうございます、先生』  ピンクのバラを8本包んだ花束と共に、先生へ届けた短い言葉。ずっと、ずっと届けたかった――僕の、感謝の想いだった。……まあ、随分と今更ではあるのだけども。    
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加