追憶

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追憶

 ――先生に出会ったのは、15歳の春。僕のクラスだった一年B組を担当する、現代文の先生だった。  だけど、当時の僕はほとんど先生と顔を合わせることがなかった。理由は至って単純――ただ、僕がほぼ登校してなかったから。  だけど、それはもちろん先生が原因じゃない。そもそも、当時は良くも悪くも何かしらの影響を及ぼされるほど関わってもいなかったし。不登校だったのは、それまでずっとそう――それも、これといった原因もなく……ただ、怖かった。人と話すと……いや、目が合うだけで震えが、動悸が止まらなくて。だから……ただ、学校という空間が怖くて仕方なかったんだ。
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