密会?

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密会?

「――おや、こんにちは楓和(ふうな)さん。父との密会は終わりましたか?」 「いや誰にも隠してないよ。でも、さっき終わった……と言うか、終わらせたよ。流石に、これ以上先生の邪魔をするわけにもいかないし」 「まあ、邪魔と言うならそもそもお越しにならないことが一番なのですが」 「……うん、痛いとこ突いてくるなぁ」  それから、およそ二時間ほど経て。  リビングにて、揶揄(からか)うような笑顔でそう問い掛ける女の子。彼女は奏真(そうま)紗那(さな)さん――奏真先生の一人娘で、現在中学二年生。そして、ミディアムほどの綺麗な黒髪を纏う見目麗しい少女だ。  さて、先生とのお話を終えた僕が、玄関ではなくリビングに来たのは理由があって。痛いところを突かれ反論できないでいる僕に、彼女――紗那さんは何とも愉しそうな笑みを浮かべ、ゆっくりと言葉を紡ぐ。 「――さて、楓和さん。ここからは、私との秘密の時間ですね?」  
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