夕暮れの街で、君と。

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 眺めのいいベンチを見つけ、腰を下ろす。ずいぶんのぼってきただけあって、前方には素晴らしいパノラマが広がっていた。抜けるような青空のもと、ミニチュアみたいな街の中を縫うようにモノレールが進んで行く。  ペットボトルのフタを開けようとしたところで、隣に子供が座っていることに気が付いた。  …いつの間に?  紺のポロシャツにカーキ色のハーフパンツ、黒いキャップをかぶった男の子、小学校の三、四年生くらいか?キャップのひさしで陰になり顔立ちはよく分からないが、すんなり伸びた長い手足が印象的だった。  男の子はしばらくの間じっと前を、街を見ていたが、ななめがけしていたカバンからおもむろに何か取り出した。 それから横目で見ていた私の方を向き “ 何か ” を差し出す。 「これ、あげる。食べなよ」  男の子はラップにくるまれた、三角と言うよりは丸に近い少々いびつな形のおにぎりを私に差出し、にっこり笑った。   初めて会った子なのになぜか懐かしい気持ちになる。
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