クリスマスの秘密7

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クリスマスの秘密7

「でもどうして私に会いに来てくれたんですか? もしかして最後のクリスマスプレゼント……」  そんな特大のプレゼントを私に……まだそうだと言われた訳でもないのに、何だかとんでもない賞を受賞した気分だ。 「その前に折角じゃ、乗ってみるかい?」  するとサンタさんは少し体を避け後ろの雪舟へ促す様に手を向けた。  それは一瞬何を言われたのか分からなくなる程に予想外で奇跡のような言葉。全世界の子どもの夢と言っても過言じゃないはず。 「いいですか!?」  当然のように私も興奮気味に訊き返した。  そんな私への返事としてサンタさんは先に雪舟へ乗り込み大きな手を差し出してくれた。自分でも分かる程に輝かせた表情のまま一旦、雪舟を端から撫でるように眺めていく。漆のように艶やかな赤で彩られた雪舟は芸術的で先頭の馴鹿も凛々しい。しかも一匹は真っ赤な鼻をしてる。  そして軽くだが外観を堪能した私は早速――運命の瞬間を迎えた。サンタさんの手を取り私は人生における歴史的一歩を踏み出す。  少し浮遊した雪舟は何だか不思議な感覚だった。飛行機の離陸した感覚とも船とも違う。でも圧倒的な安定感と言うよりどこかふわり柔らかなもの。その感覚に一瞬、戸惑いながらも雪舟へ乗り込んだ私はサンタさんの隣へ座った。 「それじゃあ出発するかの」  そう言った後、サンタさんは両手を振り手綱の心地好い音が鳴り響いた。  それから走り出した馴鹿に合わせ雪舟が緩やかに動き始める。速度はどんどん上がっていき、大きく円を描くように夜空へと飛び立って行った。そして馴鹿が空を蹴って雪舟を引き、私達はまるで夜空を流星のように駆ける。
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