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クリスマスの秘密15
「儂という存在がそうであるように、あのランプスもまた多くの人間が知らぬ世界の真実じゃ」
「あれは一体何なんですか?」
「ランプスは儂らとは相反する存在」
サンタさんはそう言うと手綱を振るい雪舟を走らせた。
「奴らの目的も正体も良くは分かっておらんがな。ただ分かっている事は、奴らは特殊なエネルギーに反応し、引き寄せられて来る。そして人間を襲うという事じゃ。このエネルギーを餌にしとるのか、普段はどこにおるのかもまだまだ謎だらけ」
その物語のような話も不思議と私はすんなり受け入れられていた。今ならサンタさんがどんな話をしようと全て信じてしまいそうだ。
「じゃあサンタさんは世界も守ってるって事なんですね!」
「ほっほっほ。儂も全知全能の神ではないからの。一人では不可能じゃ」
「って事はサンタさんに馴鹿さん以外の仲間が?」
「そうじゃ。皆のお陰で毎年クリスマスを無事迎え、無事終える事が出来る」
サンタファミリーたるものが存在してる、そう思っただけで何だか心躍る。
そんな会話をしている間に又もや袋に呑まれ、私達は同じように夜空から夜空へ。多分、元の場所に戻ったんだろう。
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