クリスマスの秘密21

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クリスマスの秘密21

「えーっと。北海道?」 「はい。北海道のとある場所。詳細に関しては発言権限がありません」 「それでその建物は?」 「クリスマス防衛機関の日本支部です」  何だか現実と幻想が混じり合ったようなその名前はこれまで一度も聞いた事がないものだった。都市伝説の類でさえない。 「それは一体何なんですか?」 「クリスマス防衛機関。通称、エクスレイ。サンタクロースが中心となり設立された機関であり、十二月二十五日に世界で行われるクリスマスを無事に終える為に活動を行っています。複数の部署により年に一度のクリスマスの為に毎日活動が行われています。世界中に支部を持っていますが、その存在を知る者はほんの一部。機関に所属している者のみです。そして本部の場所を知る者は更に一握り。噂すら無い秘密結社と言ってもよいでしょう」  今の話を聞く限り私が思ってた以上に事は大きく、サンタファミリーと言うより株式会社サンタクロースって感じだ。秘密結社らしいけど。 「えーっと……」  何て言えばいいのかすら思い付かない程に頭が整理できてない私とは裏腹に妖精は更に言葉を続けた。 「クリスマス防衛機関は噂程度ですら存在を知られてはならず、所属者は家族にすら話をする事は許されてません。ですので貴方が同意した場合、表向きは日本支部が所有する私立夜星大学への入学し、そして大学寮で生活をする事になります。ですが、実際は日本支部で機関員として働きながら日本支部内の生活区域での生活となります」 「なんか結構ちゃんとしてる……」 「ご希望であれば夜星大学の資料をお送りするよう設定されてますがどうしますか?」 「……じゃあお願いします」  正直、考える余裕もなくただ頷いたけだけど。
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