クリスマスの秘密23

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クリスマスの秘密23

 そして閉じたカードをテーブルに残したまま私はベッドに寝転がった。取り敢えず落ち着いてさっき妖精が言ってた事を思い出してみる。 「クリスマス防衛機関。私立夜星大学。秘密結社」  口にしてみると何かの物語のようだ。もしサンタさんに会う前にこのクリスマスカードだけが届いていたら正直、疑っていたかもしれない。それ程までに現実離れした話だったから。サンタさんはもっと子どもが想像するように一人で世界中を回ってプレゼントを配ってると思ってたけど、私が思っていたよりずっと現実的だった。 「それにしても進路かぁ」  さっきの話はまだ私の頭でごちゃついてたけど、ふと出来る事なら考えたくもない悩みの種を思い出してしまった。叶うならこのまま芽が出るまで埋め続けたい。 「別にやりたい事もないしな」  そう考えてみるとこの話は今の私にとっていい機会なのかも。なんてもう考えたくないから思考停止でそう思ってるだけって可能性もあるけど。クリスマス防衛機関でクリスマスを守る、だなんてお母さんとお父さんが聞いたら私が変な宗教にでも騙されてしまったと心配するかもしれないし。  そんな風に私は暫くの間、自分の将来と今日の事について考えを巡らせていた。こんなにも将来について考えたのは初めてかもしれない。でも実際はちゃんと考えられていたのかも怪しいけど。
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