クリスマスの秘密24

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クリスマスの秘密24

『君のその掛け替えのない体験を、今年もまた子ども達が味わえるよう――君の力が必要じゃ。十二分に満喫したクリスマスを、儂と共に守っていこう』  考えているのか考えてないのか、ユラユラ揺れる思考の海の最中ふと私はその言葉を思い出した。私にとってクリスマスは最高の想い出。家族で出掛けたり、ご馳走を楽しく食べたり、みんなで遊んだり――それにプレゼントとかも。一分一秒の全てが記憶の中で掛け替えなく満天の星のように煌々としている。  そんな私の宝物を今年も正に子ども達が体験しようとしているって考えたら、子ども達が私と同じような気持ちを味わえるって思ったら――そういうのも悪くないのかもしれない。 「しかもあのサンタさんと一緒に働けるって凄くない?」  改めて考えてみてもそれはサッカー少年がメッシと一緒に働く様なものだ――分からないけど。 「えー、しかもしかも誰にも言えないってなんだかスパイみたいでカッコいい」  私は最近観たスパイドラマを思い出していた。  それから思考の線路は妄想駅で停車し、気が付けば私は朝を迎えてた。覚えてる限りでは、シークレットサービスとして大統領と二人で第三次世界大戦を止めてたっけ。  それはいいとして翌日、学校から家に帰ってみると驚くべき事が私を待っていた。なんともう夜星大学の資料が届いていたのだ。正直、届くのかすら怪しかったけどまさか翌日だなんて。
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