クリスマスの秘密25

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クリスマスの秘密25

 部屋に上がり早速読んでみたけど、それは至って普通の大学だった。もう少し特殊な感じかともと思ったけど、やっぱり表向きとしてこの大学に行くってことはむしろ他のどの大学よりも普通って事らしい。 「あんた本当にここに行くの?」  正直に言って何か確固たる決意があるわけでもない。悩むのが面倒なだけって言われたら強くは否定できない自分がいるし。  でもずっと私は自分がとっても素敵な事をしようとしてるって思える。そして同時に凄い事だってのも。だってサンタさんみたいに毎年のように子ども達を幸せにしてあげらるんだから。 「うん。県外だけどいいかな? 大学寮もあるみたいだし」 「ちゃんと自分で考えて決めた事ならいいわよ。お父さんも好きなとこに行かせようって言ってたし」 「ありがとう」  実は大学資料に入っていたのは大学の紹介だけじゃなかった。一枚の明らかに普通には入っていない紙も同封されていた。そこに書かれていたのは、メールアドレスともし決意を固めた時はまずメールをして欲しいという旨。  だからお母さんとも話し合って事が現実味を帯びてくると、そのアドレスへメールを送った。それはサンタさんと会ってから一週間後の事だった。 「えっ!」  そして翌日の夜。寝転がりながら返信のメールを開いた私は最初の文にあった文字につい声を上げてしまっていた。
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