終焉

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終焉

 探偵クラブを経営していた葛城烈は、大和郡山での数々の困難を経て、一時は探偵業を辞める決意を固めていた。しかし、7名の犠牲者が出た一連の事件を解決するため、彼は再び探偵としての使命感を取り戻し、真犯人と対峙する決意を固めた。 ### 葛城烈と真犯人の対峙  大和郡山の静かな夜。探偵クラブのメンバーたちと共に、烈は廃工場へと向かった。そこで待ち受けていたのは、この事件の背後にいた真犯人だった。薄暗い灯りの中、二人の影が揺れる。 「葛城烈、ここまでたどり着くとは思わなかったよ」  真犯人の声が冷たく響く。葛城は拳を握りしめ、冷静に相手を見据えた。 「お前の計画はすべて見破った。7名の命を奪い、こんな恐ろしいことをして、一体何を求めていたんだ?」  真犯人は薄笑いを浮かべた。彼女は学園の理事長、加藤明日香だった。 「君たちのような若者に、私の苦しみがわかるものか。私はずっと学園の改革を望んでいた。しかし、誰も耳を貸さなかった。だから、私は自らの手で変革を起こすことにしたんだ」  葛城はその言葉に怒りを感じたが、冷静さを保った。 「だからといって、無関係な人々の命を奪う理由にはならない!お前は人を操り、彼らを犠牲にして自分の野望を果たそうとしただけだ」  加藤は肩をすくめた。「犠牲は必要なことだ。私の計画を完遂するためには、邪魔者は排除しなければならなかった。それだけのことだ」  葛城は一歩前に踏み出し、加藤に向き直った。「もう逃げられないぞ、加藤。全ての証拠は揃っている。警察もすぐにここに到着する。お前のゲームは終わりだ」  加藤はしばらく沈黙していたが、やがて冷たい笑みを浮かべた。「それなら、最後にもう一つだけ教えてやろう」  突然、加藤は懐からナイフを取り出し、葛城に向かって突進した。葛城はとっさに身をかわし、加藤の腕を掴んで押さえつけた。二人は激しい格闘の末、葛城が加藤のナイフを奪い取った。 「もう終わりだ、加藤!」  葛城は加藤を地面に押さえつけ、ナイフを遠くに投げ捨てた。その瞬間、警察のサイレンが響き渡り、廃工場の外にパトカーのライトが点滅した。 「終わったな、加藤」  葛城の言葉に、加藤は虚ろな目で答えた。「そうかもしれないな。しかし、私の意志は消えない。誰かが私の夢を引き継ぐだろう」  警察が到着し、加藤は逮捕された。葛城は深く息をつき、犠牲になった7名のために静かに祈りを捧げた。彼の目には、次なる挑戦への決意が宿っていた。
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