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「ガルドさん、西と東の防壁準備は整ったようですぜ」
マグナ達が出発して間もなくガルドと警備隊副隊長は櫓に上がり偵察していた。
丘の向こうに煙が立ちこんでいる。
「よし、次は非戦闘員を中央に待機させてくれ。武器を取れるものはなるべく固まって各配置につくように指示を出してきてくれ」
「ガルドさーん、王国軍の備品届きましたー!」
元気のいい青年ヨルムはガルムに憧れており、実際強さも村では10本の指に入るほど。訓練を毎日怠らない勤勉な性格だ。
「二人ともお疲れさん。物資はルンダ部隊のところ持って行ってくれ、その後は持ち場について待機していてほしい。帰ってきたばかりなのにすまない。よろしくなー!」
「はーい、了解っす!」
ガルドはヨルムたちが去ると遠くから顔見知りの男が近づいてくる。
汚れた外套を纏った大柄な男で肩には大きな剣を背負っている。
「よぉガルド。久しいな」
「…来てくれたか。ヴォルフガング」
「覚悟を決めたのだな」
「ああ。戦いのない平和な世界で暮らすという事は難しいな。だか守るべきものを間違えずにやってこれたのはお前のおかげだ。感謝する」
カンカンカンカン!
鳴り響く鐘の音。
敵襲!と何度も繰り返す偵察兵
「ガルド・フォン・ガルム王に忠誠を!」
ヴォルフガングは片膝をつき深深とガルドヘ頭を下げたあと何処かへ去っていった。
「さぁ野郎ども!予定通り敵を蹴散らしてこの村を守り抜くぞー!」
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