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『殺しのセンス』    この見るからに課題図書に相応しくない本は、一体なんだとうか。  一際目立つというか、物騒というか。  殺人の臭いがいかにもって感じのタイトル。  「こう見えて意外と、感動系だったり青春劇だったりするのかね」  さて、と。  手に取りまず一ページ目を開いてみる。  どれどれ。   『殺した。  ぶっ殺した。  奴の体を至るところ突き刺しにし、醜い箇所は棍棒ですりつぶした。  あんなにイキっていた豚も、殺してみればこの通り、ただのバーゲンセールの肉塊に成り下がる。 人間ってそういうモノなんだ。本当は』 ……ははぁ。これは完全にアウトです。
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