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 かくかくしかじか。  例の『殺しのセンス』を片手に持ちながら――僕が説明できることは全て、渚さんに説明する。そこに主観的なことは含めずに話した。    正真正銘の客観視。 「ふぅーん。それは、いたずらで間違いない」    まぁ当然なんだけど、ね。     「でも、それじゃ面白くないよな。例えば、犯罪思考のある人が自分の欲求を満たすために書いて、それを人目に晒すことでいかにも自分は危険人物なんだぞとアピールしている可能性もある訳で……」  なんちゃって、と付け足す渚さん。   図書館司書としてその発言は如何なものかと思うが、まさに僕はそれを言って欲しかった。   「実は僕もそうなんじゃないかなと思うところがあるんです。この本は課題図書のコーナーにあったと言いましたが、もっと正確に言うと高学年向けのスペースにありました。 渚さんこれどう思います?」      
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