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俺
なぜだろう、なぜこんなに簡単にばれてしまうのだろう。
頭を何度も下げ、謝罪の言葉を繰り返しながら、俺はそんなことを思っていた。一番最初の時は迂闊だった。レシートを彼女が見るだなんて思いもしなかったのだ。だから気を付けるようにしていたのに、2度目もまたレシートのせいでばれてしまった。自分の事ながら、どれだけ迂闊なんだと思ってしまう。そして、だから今度こそレシートには気を付けていたのに。まさか彼女と待ち合わせていた時に遭遇するだなんて。
もちろん、よくないことをしているというのは自分でも分かってはいるのだ。けれど、抑えられない。
「もう一度チャンスをくれ」
そう言いながら俺は思う。そう、もう一度…今度こそ、ばれないようにやるから…。
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